共同施業で取り組む永平寺町市野々森林再生プロジェクト

共同施業で取り組む永平寺町市野々森林再生プロジェクト

 

 福井市に隣接する吉田郡。この地域を管轄する吉田郡森林組合は、地域に対して組合の規模が小さく、
職員や機材・重機が著しく不足しています。このため、除間伐対象森林の面積が大きい地域でありながら、
利用間伐などを十分に行うことが出来ずに森林の荒廃が目立っています。

 一方の福井市森林組合は、高性能林業機械を複数所有し、協力事業体を多く抱えている分
施業地を次々に確保していくことが課題となっています。

 そこで、福井市森林組合と吉田郡森林組合は、将来的には合併する可能性も見据えながら、
施業協力協定を結び、共同施業を行うこととしました。

 この取り組みは地域の森林所有者の関心を高め、利用間伐を促進させるとともに、
森林組合の広域合併推進のきっかけにするという点が評価され、森力基金助成事業として採択していただける運びとなりました。

 共同施業を通じて知識・技術を共有することで能力を向上させることを目標に、
その手法の模索や効果の検証及び評価を農林中金様のお力をお借りしながら進めていきました。

 所有者様との信頼関係が構築されていないこと、従来吉田郡で行われていた施行の方法とかみ合わないこと等、
他の組合の管轄地域で施業することがいかに難しいかを実感する場面が多くありました。

 しかしながら、この事業を通じて多くの成果を上げることができました。
合併に向けてお互いの組合の手法や地域の実情を理解できたことはもちろん、
講習会を通じて吉田郡の森林組合もGPS測量を行えるようになったこと、
地籍調査が進んでいない地域で境界明確化を行い、集約化施業のきっかけを作れたこと等、
今後の施行につながるモデル的な地域となりました。

 本事業で得られた成果や課題をフィードバックし、福井市・吉田郡の両組合で協力し、
より効率的な施業で所有者様の満足度向上につなげたいと考えております。