皆伐
皆伐(かいばつ)とは、文字の通り、エリアの木をみんな一度に切ってしまう施業の方法です。
全部まとめて切ってしまうので、伐採した材を運ぶときにも他の木に邪魔されず、かかり木などの心配も
比較的少ないので、作業の効率は高くなります。
昔、日本の林業が盛んだった頃は全ての木々をまとめて伐採してしまい、その跡地に新しく苗木を植える
「再造林」という考え方のもとで皆伐が積極的に進められてきました。
しかしながら、皆伐を行うと当然ながらいったん山林は丸裸になってしまうわけで、
苗木が育つまでの間に土壌が弱まり、生物多様性が失われてしまうことから、
環境破壊につながる施業のやりかたではないかという疑問の声が上がっていました。
間伐
皆伐後の再造林を目指して苗木を植える際、苗木はそれなりに密度を高くして植えるのが基本とされていました。
苗木同士の間隔が広すぎると、日光が効率よくあたるので成長は早いのですが、
それぞれの木々が好き勝手に伸びてしまうので、木が曲がりくねって成長してしまうからです。
一方で、狭い中にぎゅうぎゅうづめに植えられた苗木は光の奪い合いをして、成長が遅くなってしまい、
最終的には早く育ったお兄ちゃんの木に栄養を取られてしまって身長が伸びないまま一生を終えてしまいます。
そういったことにならないように、まっすぐ育って大きくなる将来性のある木に光や養分が行き渡るよう、
お金にならない他の種類の枯れそうな木、あるいは曲がっている木などを間引く伐採方法がとられるようになっています。
これが間伐(かんばつ)です。
かっては間引いた木をそのまま森に放置するのが一般的でしたが、近年ではバイオマス発電の燃料として
活用できるようになっており、間引いた材も人間の生活に役立てられています。