森林の機能

森林の機能

木材等生産機能

 森林で育てられた樹木は、建築物、家具等の材料として、
人間の生活に役立てられていることは言うまでもありません。

 もちろん、材として活用される木々以外にも、様々な植物や動物、昆虫など、
多種多様な生命が生活を営んでいる場所です。

 このように、森林は木材をはじめとして多種多様な生命・資源を生産する役割があります。

水源涵養機能

 森林には、雨を適度に蓄えたり河川に流すことで、私たちの生活の場に降りてくる
水の量をコントロールし、急激な増水や渇水を防ぐ役割があります。
 
 雨が降ると、森林はまず木々の枝葉や落ち葉などで受け止め、ある程度の量を蒸発させます。
一方、地面にしみこんだ水は植物に吸収されたり、地面の隙間を通って移動するので、
その流速はある程度緩やかになります。

 このように、森林が雨を受け止め、大気に還したり、平地に流したり、様々な経路で移動させることで、
河川に流入する水の量がある程度一定になるのです。

山地災害防止機能

 山地で起こる代表的な災害として土砂崩れが挙げられますが、
健全な森林では土砂崩れは起こりにくいことがわかっています。

 山林の植物が枯れると、根が弱まるのはもちろんのこと、地面の表層のコケ類なども
直射日光を受けて弱まり、結果として地面が崩れやすくなります。

 多様な植物が地面に根をはることで、土壌を抱え込むネットのような役割を果たし、
強固な地盤が出来上がるのです。

生活環境保全機能

 植物は光合成により、生命が呼吸をする上で必要不可欠な酸素を生産します。
また、同時に二酸化炭素を吸収することで、地球温暖化を防ぐ役割もあります。

 多くの植物が生活する森林を守ることは、巨視的に見れば地球全体を守ることにつながります。

保健文化機能

 古い和歌にも富士山が詠まれていることからもわかるように、
人間は山林に囲まれて文化を育んできました。
 
 また、多くの人が登山を楽しみ、レクレーションにも広く活用されているように、
心身を鍛え健康を保つ上でも重要な役割を果たしています。

 このように、有史以来人間の精神的・身体的な健康の維持や増進に寄与するとともに、
多様な生命の活動の場となることで生物を保全し、学術的な研究の場としても
その働きは不可欠なものだと言えます。