集約化施業

最近の林業においては各種林業機械を用いた作業道整備や伐採や丸太搬出が行われています。そのため重機の燃料やリース費用等が多く発生します。とりわけ距離を隔てた複数の現場で仕事を進めてしまうとその費用は膨大となってしまいます。このため十分な事業量が確保できないような小規模な林地で施行をしていたのでは採算がとれず、ビジネスとしての林業が成り立たなくなります。

そこで、近隣の森林所有者同士で相談を重ね、それぞれの森林をまとめてひとつの大きな森林として一体化することで、より効率的に機械を運用できるよう作業道整備を進め、施業の効率化を行います。


当組合では施業に際するチェックシートを作成し、正副担当者によるダブルチェックのもと間違いのない施業を心がけます。

  • 1.林家組合長様や山林所有者様の割り出しを可能な限り正確に行ったか
  • 2.座談会を設け事前調査などの承諾をいただいたか
  • 3.調査結果を所有者の皆様にご説明をしたか(不在だった方にも可能な限り個別訪問しご説明をしたか)
  • 4.承諾及び委任状・長期委託契約書をいただいたか
  • 5.所有者様・組合・事業体の3者で線形を確認し承諾をいただいたか(事業体は施行箇所に看板を設置したか)
  • 6.事業体による現場施工開始に際して林家の皆様にご連絡をしたか(地権者の皆様に案内文を配布したか
  • 7.施行完了後に施行地を再度確認したか
  • 8.施工完了後に検査・後始末を行ったか
  • 9.施工完了の旨を林家組合長様・山林所有者様の皆様にご報告し確認を行ったか

 

集約化の流れは以下の通りです。

①座談会の実施

《1回目の座談会》
当組合職員から森林所有者の皆様に対して、集約化施業のご説明をさせていただいた上で、 作業道踏査をはじめとした現地調査のお願いに伺います。 座談会の前には地元代表者の方に許可をいただき、入山・事前調査を行って資料を作成します。
《2回目の座談会》
施業に際するさまざまな事項のご説明とご確認をさせていただきます。
・施業エリアにテープなどで目印をつけること
・間伐率(どれくらいの割合で木を伐採するか)
・施業スケジュール

②現地立ち合い

所有者の方に現地で所有境界を教えていただき、目印の杭を設置いたします。

③書類の取りまとめ・工期のお知らせ

当組合にて各種書類(施業プラン書、各種契約書など)をご用意させていただきます。代表者様を通じて皆様にお渡しいたしますので、お手数ですがご記入くださいますようお願いいたします。その後、開始日程及び工期をお知らせいたします。

④作業開始

当組合の協力事業体が現地に入って工事を行います。
(工事開始の際は改めてご連絡いたします)
各種重機にて作業道を開設し、木材の間伐・主伐~搬出・運搬まで一連の作業を行わせていただきます。
・作業に関して変更点・問題点が生じた場合はその都度ご連絡させていただきます。
・作業が完了した後は全区域を点検・確認させていただきます。

⑤完了報告

作業完了後は所有者様にも現地にお越しいただき、手直し箇所がないか最終確認をしていただきます。
その後、所有者の皆様に完了報告を行うための最終座談会を開催させていただきます。

境界明確化について

当組合では、近隣所有者が協力して林業を効率化する施業集約化の前提として「境界明確化」を進めています。
森林は自然の一部です。月日と共にその姿は変化します。将来、ご子孫にお渡しするとき、見覚えのない景色になっているかもしれません。森林組合では境界の知識を有する方とともに森林の境界を明確にする事業を進めています。

最新のICT技術を用いて机上で境界図を作成したのち、実際に皆様のご意見を伺いつつ、現地立会による境界確認も実施します。現地確認においては最新器具を用いた「GPS(GNSS)測量」を行い、測量結果は専用のソフトウェア(GIS)でデータ管理します。境界明確化事業報告書及び管理されたデータで、いつでも境界をご確認いただけます。

子々孫々に美しく、価値のある森林を安心してお渡しするためにも、境界明確化のご協力をお願いいたします。

①仮境界図の作成

空中写真や詳細な地形図、森林計画図等を基に仮の土地境界図を机上で作成します。
※あくまで仮の境界図となります。

②座談会の開催

該当区域の山林所有者様にお集まりいただき、仮境界図をもとにより現実に即した境界を決めていきます。

③現場立ち合い

必要な方は現地にて立ち合いを行っていただきます。GPS(GNSS)測量を行い境界のデータを収集します。

④境界図の作成

②、③で得られた情報を基に最終的な土地境界図を作成します。専用のソフト(GIS)によって厳正に管理しますので、図面を紛失された場合でも随時ご確認いただけます。