永平寺


 永平寺は1244年、曹洞宗の宗祖道元によって開かれました。
14歳で比叡山延暦寺に入った道元禅師でしたが、「本来本性性・天然自性身」(人は生まれながらにして仏性を備えている)
という考えと、厳しい修行を以って悟りを得なければいけない現実に矛盾を感じていました。

 この矛盾を解決する為に建仁寺に移った道元禅師は、師事していた明全和尚とともに中国に渡り、
生涯の師として仰ぐことになる如浄禅師と出会い、座禅修行に励みました。

  五年間の修行を終えて帰国し、京都に興聖寺を開いた道元禅師でしたが、如浄禅師の教えに従い、
権力者との関わりを経ち、弟子を育てる為、越前の山中に移って傘松峰大仏寺を建立しました。
これが現在の永平寺です。

 その後体調を崩し、懐奘禅師に永平寺を譲った道元禅師は、1253年にその生涯を閉じましたが、
建立された永平寺は今でも多くの人が訪れる名山となっています。